「とりあえず、荷物は廊下の奥の方にある使ってない部屋においておいて。」 「はーい。」 鳶坂家にて。鳶坂家は私がいた病院から、地下鉄を使って20分ほどの場所にある。都内の小洒落たマンションの一室だ。私は鳶坂家に到着してから、桂子さんに部屋の場所を教えてもらってから、荷物を新しい私の部屋に運び込んだ。 「それにしても、本当に両手で抱え込む必要もない量とは、前までの私はどんなものを持ってたのかな。」 そして荷物を開けて、整理を始める。お菓子類の入った袋、紙工作がいくつか、それから本が2冊。それぞれ隣室の人にもらったり、暇つぶしに作ったり、売店で買ったりしたものだ。 一通り整理を終えて、布団に倒れ込む。 「ふはー、整理終わりっ、と。ちょっと部屋の探索でもしてみるか。」 まず、パッと目に入る限りでは、勉強用と思しき机と今私が倒れ込んだ布団、そして押し入れがある。それから、後ろを振り返れば小さめのクローゼット、机の上には、えーと、光るやつ、久々にものの名前がわからない。最近は本を読んで単語量も回復してきたつもりだったけど実際そうでもないみたいだ。そして、最後に日めくりカレンダー。2015年の1月2日で止まっている。少し計算をする。よし、幸い今年はこの年と曜日が同じだからこのまま変えなくても大丈夫。とりあえず1月12日までカレンダーをめくる。 そして階下から声が。 「硝子ちゃんー、ご飯ができましたよー。」 「はーい!今行きまーす!」 「今日は硝子ちゃんがうちに来たおめでたーい日だけれども、平はまだ仕事があるらしいから先に二人で食べちゃいましょう。」 「わかりました。何か、準備で手伝えることはありますか?」 「今日はお惣菜だから大丈夫よ。さっき家に来る前にスーパー寄ったでしょ?」 「あっ、そうだった...テヘッ.」 必殺☆テヘペロ 効果は今ひとつのようだ。 「そういえば明日は休日だけど、あなたの生活用品揃えなきゃいけないわね。まあ、一番パッと思いつくのは、服とか?」 「わぁっ!服!私綺麗な服大好きです!あ、でも私今お金ない...」 何なら財布がない気すらしてきた。 「ばか、何のために私たちがあなたのこと引き取ったのよ。自腹で出させるくらい薄情なら家賃や食費だって出させてるわよ。そこんとこ、あなたちょっと察し悪いわよね。」 「そ、そうですか... 私、察し悪いですか...」 「それにしても、本当にあなた感情ジェットコーヅターよね。」 「それ、よく言われます。」 「記憶ないのに?」 「あ、確かに。多分言われてました。」 「多分かー。ふふっ」 「はははっ」 「ふふふふっ」 「ンフフフフっ」 その後なぜか二人とも5分くらい笑い続けた。
長編小説 亡霊 作 はる 表紙画 はる 次話→ 前話→ 長編小説 亡霊 作 はる 表紙画 はる 次話→ 前話→ https://scratch.mit.edu/projects/1386627495/ あとがき ね む い Z E ☆ 現在時刻↓ H38/10/04/01:10