◤◤ ◥▼◤ ◥◥ ▶︎ ARCHIVIUM ◀︎ ◣◣ ◢▲◣ ◢◢ #1 不眠族 カチッ、時計が6時半を指し、私は今日も相棒のサナを起こす。 「サナ、起きなさい。また朝ですよ。」 「んん、ん、あとちょっと...。もうちょっとだけ寝かせて...」 「ダメです。今日はすぐにでも出発したいんですから。」 「本当に、もう少しだけ...」 「はぁ、明日こそはちゃんと起きてくださいね?」 私は不眠族<<インソムニス>>、サナは普通の人間。いや、普通ではないか。彼女は魔女なのだ。そして私は魔道剣士だ。彼女は主に水魔法を主に扱い、私はそれ以外の一般的な魔法全般が扱える。経験の差だ。インソムニスは夜も活動を続けられるので、人間よりも積める経験の量が圧倒的に多い。そして、実際に意識を持って生きている時間も人間よりも圧倒的に多い。 「それにしたって、私でさえこんなにも時間を持て余しているのに、エルフの人たちは普段どう言うことを考えて生きてるのかしらねえ。」 机にあった謎の装飾品を手に取りながら私は考える。最も人間に近い種類の半精霊<<ハーフエルフ>>ですらも600年は生きる。半分は睡眠に使うとしても実際に意識を持って生活するのは約300年。 「それにしても、サナは起きないわね。」 「ぷはぁー!食った食った!宿の今日の朝ごはんもおいしかったね!」 「そうね。じゃあ早速行くわよ。」 「もうー、話を聞いてくれたっていいじゃない。ノルミアはどうしていっつもそんなに冷たいの?」 「だって、私はあなたよりも生きるうちに食べる食事の量が違うからね。一食一食で色々考える必要がないのよ。」 「さも『私、可哀想でしょう?』みたいな言い方やめな?確かにインソムニスは寝ないけど、その分人間よりも多く動けるんだから。それに眠気の妨害もない。私からしたら羨ましいことこの上ないけどね。」 「私も、無防備な状態で時間を浪費しているあなたのことが羨ましいわ。特に、夢。私も見てみたいものね。」 「インソムニスはねなくていいじゃなくて、寝れないんだもんねー。でも案外夢ってつまんないもんだよ。そういえば、今日は何の依頼を受けに行くの?」 「街のはずれに最近鱗蜥蜴のすができたらしいから、駆除とそのついでに鱗を持ってきたら1枚につき銅貨4枚で買い取ってもらえるらしいわ。」 「銅貨4枚かー。美味しいお昼ご飯が食べれるくらいだね。」 「サナ、よく聞いて。これはあくまでも「1枚で」なの。と言うことは、取れば取るだけ儲かるので!たとえば2枚持って帰れば銀貨1枚!24枚持って帰れば金貨1枚!」 「あんた、金儲けが視野に入ると目の色変わるよねー。」 「だって!お金よ!お金!あなたが無駄遣いするから!」 「ノルミアだって昨日新しい魔道具買ってたくせに。」 「ぐっ、」 そうして私たちは市内を出て、街道に入った。 ◤ 街道に出た ◢
小説群 ARCHIVUM 分類 Ca 作者 はる 話数 #1 次話→ https://scratch.mit.edu/projects/1387958391/ 前話→ 投稿用スタジオ↓ https://scratch.mit.edu/studios/51926618 あとがき みなさん、不眠族を知っていますか?僕は、知りません。多分この小説で初めて登場した種族です。ノルミアのように、文字通り、眠らない種族です。そして、寝る必要がないだけならまだいいです。寝れないのです。なので彼女たちは夢を見ることもないし、飲んで吐いて寝て全部忘れるって言う荒技もできないし、泣き瞑れてそのまま寝てしまうこともありません。なのでその分の時間でずっと作業をしています。今の日本にいたら泊まり込みの社畜にされますね。あ、泊まらないか。 H38/10/02/00:02