...。 ..。 ..........。 ......。...。 ....。 目が開く。ベンチに座ってから、左前の方にある時計によると、はや1時間半。 「んんー、ん。」 伸びをした。つまり、寝ていたようだ。 「っう、寒い。体に雪が積もっちゃってるじゃん。」 どうやら寝ている間に雪が降ったみたいだ。私は頭や肩に積もった雪を払い落とす。こんッ。 「痛っ、」 頭に何か、暖かくて硬いものがぶつかった。 「ほい、缶コーヒー。コーヒー飲める?」 「平先生、なんで缶で私の頭殴ったんですか?」 そう言いつつも「コーヒー、いただきます。」とそのてからコーヒーを半ば奪い取るようにして手にとる。 「飲めるならよかった。桂子から、話は聞いたんだろう?うちに来るつもりは、どうだ?あるか?」 「やっぱりその話ですか。」 「もちろん、僕たちが君を引き取りたいっていうのが本音なんだけれども今、実は一時引き取り所が満員で、だから病院側からも『鳶坂さんのところなら硝子も慣れているので心配ないでしょう。』と提案してきた、ってのもあるんだよね。」 「へえー、そうだったんですね。そう言えば、私の体はもう完治したんで、そろそろ病院を出なきゃ行けなかったんですよね。」 「そう。だから。そういうわけで、君はそれで大丈夫かい?」 「そういうことならば。平先生のところなら確かに私も安心です。」 「じゃあ、決まりだね。」 「あの、病院に戻らないんですか?」 「ああ、今休憩だからね。」 そう言って平先生は私の横に座って、私に買ったものと同じ缶コーヒーを飲んでいる。この缶コーヒー、意外と美味しい。まあ、私はコーヒーが具体的にどこがどうだと美味しい、みたいなのは知らないのだが。 「それにしてもやっぱこのコーヒー不味いな。」 どうやら一般的には不味い部類だったようだ。 「そう言えば、ええと、あれ、なんだっけ。」 「自販機のこと?」 「そう、多分それです。あれって、24時間ずっと電気使い続けているのに、普通の2倍の値段もせずに売られてるって、すごいですよね。」 「確かに。人件費とかはこっちも自販機に入れたりとかする分あるだろうからそんなに変わらないはずなのにね。」 その後もどうでもいい雑談を少々。 そして私の引越しの日がやってきた。とはいえ、引っ越しというのは名ばかりで、実際は少しの荷物をまとめて鳶坂家に行っただけ、というのが正しい。私の私物は発見時に着ていた服くらいしかないので、ほぼ私物はないのだ。 「じゃあ、おっ邪魔しまーす!」 そして私が鳶坂家の玄関に入ろうとした時、 「硝子ちゃん、ここはもうあなたの家なのよ。」 と桂子さんに言われたので、 「じゃあ、じゃあ、ただいま、?」 「お帰りなさい。」
長編小説 亡霊 作 はる 表紙画 はる 次話→ 前話→ https://scratch.mit.edu/projects/1381775406/ あとがき 今回は全話で書ききれなかった部分を掻き切っただけなので、全体的にボリュームとしては少なめです。本当は#3-2くらいにする勢いだったんですが、まあ、これでいいでしょう。それでは。 それと、ボケてサ終しちゃったね。 H38/10/01/00:11