第1話 すべての始まり リミリア王国――その中心にそびえる白亜の城は、いつもなら温かな光に包まれているはずだった。 だが、その日は違った。 「……なんか、静かじゃない?」 弟のアルバートが不安そうに兄の袖を引いた。 「そうだな。いつもなら、門番の声が聞こえるはずなんだが……」 ルキアス・シルヴァは眉をひそめた。 貴族として育った彼は、城の空気の変化に敏感だった。 だが――この静寂は、ただの違和感では済まされない。 城門をくぐると、そこには誰一人いなかった。 親も、使用人も、兵士も。 まるで、城そのものが時間を止めてしまったかのように。 「兄さん……これ、どういうことなの?」 アルバートの声が震える。 「わからない。けど、今日はもう休もう。明日になれば誰か戻ってくるかもしれない」 そう言ってみせたものの、胸の奥の不安は消えなかった。 ――そして夜。 ルキアスが眠りについた頃、奥の部屋から「ガタッ」と物音がした。 「……今の音、聞こえたか?」 「う、うん……」 二人はそっと部屋を出て、音のした方へ向かう。 暗闇の中、月明かりが差し込む廊下を進むと―― そこにいたのは、黒いフードをかぶった男だった。 「……誰だ?」 ルキアスが声を出した瞬間、男の肩がビクリと跳ねた。 「チッ、見つかったか……!」 刹那、男は短剣を抜き、二人へと飛びかかってきた。 「アルバート、逃げ――」 言い終える前に、鋭い痛みがルキアスの胸を貫いた。 視界が赤く染まり、弟の叫び声が遠ざかっていく。 「兄さん!! やめろ!!」 アルバートも抵抗したが、力の差は歴然だった。 短剣が振り下ろされ、弟の声が途切れる。 ――そして、すべてが闇に沈んだ。 「……ん?」 ルキアスはゆっくりと目を開けた。 そこは城でも、見慣れた部屋でもなかった。 草の匂い。 風の音。 見知らぬ空。 「気がついたか?」 低く落ち着いた声がした。 振り向くと、男が立っていた。 「俺はフェザー・ライデン。リミリア帝国の兵だ。 お前……どうやら転生してきたらしいな」 「……転生?」 自分が死んだ瞬間を思い出し、ルキアスは息を呑んだ。 弟の叫び。 胸を貫いた痛み。 そして――闇。 「信じられないかもしれないが、ここはお前のいた王国とは別の世界だ。 とりあえず、帝国まで来い。王が会いたがっている」 フェザーはそう言い、手を差し伸べた。 ルキアスはその手を見つめる。 弟を守れなかった自分。 何もできずに死んだ自分。 ――だが、今度こそ。 「……わかった。行くよ」 ルキアスはフェザーの手を取った。 こうして、彼の新たな物語が始まった。
前回:過去編を作るかも 次回: https://scratch.mit.edu/projects/1386389779/ 作者から いよいよ小説版 兄弟の絆第1話を投稿することができました!「兄弟の絆はどうしても続けたい!」という思いから小説化を決意しました!どうかこれからも兄弟の絆をよろしくお願いします! 星とハートと感想お願いします! アドバイスがあれば遠慮なくお願いします! 制作協力 LINEオープンチャット「スクアニ制作部」の皆さん AI メモ #1 #kyoudainokizuna