一話 摩訶不思議 外の蟲の声が響く、静かな寝室。 少女は眠りにつこうと、そっと意識を閉じようとする。 「・・・?誰か、そこにいるの、?」 少女は眼が見えなかった。 だから、誰か眼と眼をあわせることも無ければ、 光を一生見ることもないのだ。 だが、見えたのだ。 薄く光る少年が。 「あー、、、ごめんね〜起こすつもりは無かったんだけど・・・」 そういって明るく太陽みたいな笑みを浮かべた。 「ただ、ここから見える月が綺麗でさ」 少女の寝室は街より少し上がったところにある。 だからか、とても景色が良い。 少女は、見たことも無かった。 「それは、、、どんな景色なの?」 少年は一瞬驚いた顔をして、優しく説明してくれた。 「そっか、君は眼がみえないんだね。そうだなぁ、、、今日は丁度満月でね、ここら一帯が明るく照らされているんだ。昔はもっと綺麗だったけど。」 楽しそうに話す少年を、少女はじっと見ていた。 生まれてから初めて見たものだったからだろうか。 興味津々だった。 「、、、貴方はどこから来たの?」 少年は少し寂しい顔をして、言った。 「ここにいたよ」 少女は何も言わなかった。 何も言えなかった。 それ以上深く聞くと、何かが途切れてしまいそうで。 「、、、冗談だよ、それに今日が初めましてだからね」 本当のことを言っている訳では無いのだろう。 少女のことを思いやって優しく流した。 すると、少年は急にスッと消えていった。 朝、アラームの音が鳴り響く。 そっと光が少女の部屋に差し込む。 「これも全部夢だったら、こんなに苦労しないのにな」 そう呟いて、少女は部屋から出ていった。 そこにうっすらと、人の気配がした気がした
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