あらすじ このゲームの主催者であり、アプリ『Dystopia(ディストピア)』の開発者であるJ(ジェイ)がこのゲームを始めた理由は、単なる快楽殺人や金儲けでなかった。その裏には、「現代のネット社会そのものを巨大な実験場にする」という、歪んだ思想と社会実験の目的があった。 表向きは若者に人気の完全匿名配信アプリだが、その実態はJが数年かけて開発した「人類の集団心理をコントロールする国家規模のAI実験プラットフォーム」だった。画面の向こうにいる何千万、何億人という一般ユーザーの「嫉妬」「怒り」「快楽」といった感情が、どのタイミングで、どう言葉をかければ爆発し、特定の人間を社会的に抹殺(炎上)させるのか。その「集団心理のアルゴリズム」を完璧に完成させるための最終実証実験こそが、このデスゲームだった。 Jはかつて、あるネット上の凄惨なリンチ事件(デマによって無実の人間が自殺に追い込まれた事件)のデータを解析した際、恐ろしい結論に至った。「現代人は、自分は安全な画面の向こう側に隠れながら、言葉というナイフで毎日誰かを刺し殺している。誰も手を汚さず、良心の呵責もなく、エンタメとして他人を消費する。現代のネット社会そのものが、最初から『戦わないデスゲーム』なんだ」Jは、ネット社会の縮図として「他人の目を集めることでしか生きられない承認欲求の怪物=配信者」を40人招待した。「言葉だけで人を殺すシステム」を可視化し、現実の命と直結させることで、「人間はどこまで匿名になれば残酷になれるのか」「画面の向こうの人間は、目の前で人が死ななければどこまで娯楽として消費し続けるのか」を世界に証明しようとしたのだった。 こっから手抜き そこで招待されたうちの1人の参加者、立野 真人(たちの まひと)は、今まで、一度も配信をしたことのない、視聴者だった。実は、真人が小学生時代に信じていた親友に裏切られ、ネットで大炎上して社会的居場所を失ったあの事件――あの炎上を裏で演出し、実験のプロトタイプとして真人をハメた黒幕こそが、当時まだ無名だったJだった。 わからないことがあったら主まで