どうも鮭です。過去譚小説二回目です。ただ内容がボリューミーなので二つか三つに分けます。今回はそのうちの1つ目です。 今回は[■■■(緑)]の過去がメインでございます。 尚、これは夏祭二次会の代理投稿(本当にすいません)と八月某日への作品を兼ねています。 ============================================= 【生前の記憶-1】 N研究所の独房にて。 「私は…ここで命の火を消すのだろうか。」 一人、自分の運命に身を委ねようとする者がいた。 ~3日ほど前~ 私の名は■■■(編集済み)。N研究所にて日々知を費やすしがない研究者だ。 現在私は、人の感情に関する研究テーマを掲げ、世界平和のため…いや、嘘は良くない。自らの知的好奇心に従って…追求を止めない人生を送っている。 今日は…私の研究論文を発表するためのレポートを書いている…はずなのだが…。 『うおー!流石師匠っす!俺の百倍は凄いっすよ!』 「はは…有難う。君に言われてもあまり素直に喜べないのだがね。」 『いやいや...俺はこういうタイプの研究苦手なんで、尊敬してます!!』 この隣の男は研究助手のアイリス…彼のやり過ぎとも言える鼓舞を受け続けてかれ1時間。 気持ちは嬉しいさ。自分の成果を認められているような気がするし。…ただ肝心の論文が終わらないんだ。どうしたものか…。 …ここまで彼が私の事を認めているのにはある理由がある。 私が栄養ドリンクを買いに走ったある日の深夜。 とぼとぼした足取りで、目にくまを作り目に見えて疲れている様子の彼を見つけた。 後から話を聞くと、自分の所属していた大学の研究室から追い出されたらしい。 まぁ私も人間だ。そんな人を無視できるほど私の良心は腐ってないさ。そんな経緯で話しかけてみた。 「君、研究者か?白衣を着ているようだが…」 『…?貴方誰ですか…』 「ああ…済まない。私はN研究所の■■■と言う者だ。」 『N研究所…!?あの超有名な…そんな方が一体どうして俺に…』 「私も人の心理を研究している身でね。表情から察するに研究室を追い出されでもしたのだろう。」 『…正解ですよ。なので今はこの夜をどうして切り抜けようか考えていた次第です…。』 「やっぱりだな。…所で君、Sテストの評価はなんだ?…初対面で聞くのもあれだが...それ次第では君の滞在場所が見つかるかもしれない。」 Sテストとは、研究所に入る一つの指標の様なものだ。概ね一般の研究者ならB~A−くらいだろうか。 『えっと…確か…。』 だが彼は恐らくB下位レベルだろう…追い出されるだなんて聞いたことがないしな。 『一応S+…です...。』 S+…聞き間違いだろうか。国の研究者のトップ30にあたる、知能だけならIQ185レベルだ。 「それは本当か…?」 『ええ…ただお金が無くて追い出されてしまったんですよ。』 …確かにS+レベルの研究者は家が有数の財閥のパターンが多いとは聞くが…。それだけでS+レベルの研究者を追い出す訳がない。 まさか… 「君、Sテストの値を偽ったりしたか。」 『あ…バレましたか。...少し理由がありまして。』 「何故そのような事を...まぁ良いか。後々うちの研究所で聞くとしよう。」 『え...研究所...?』 「...?あぁ、S+クラスならN研究所の入所条件を完全に満たしている。..嫌なら話は別だg」 『寧ろ大歓迎ですよ、ありがとうございます!!』 そういうと彼は足取りよくN研究所へと入所した。 N研究所への入所が...彼の隠れた夢だったそう。 そうなると何故テストの値を偽ったかが本当に謎だが...今は良いとしよう。 一人の人間の...夢を叶えられたのだから。 ============================================= ...彼との出会いはそんな物だろうか。だが...彼と出会ったことで、知的好奇心による研究だけだった私の荒んだ人生は輝く物となっていったのかもしれない。 だが...私は知ることになる。 アイリスを追い詰めていたのが...自分自身であったことに。 ============================================= ▼続きは「メモとクレジット」で。
▼「使い方」の続きになります。 ============================================= ある夜。 私は「人の感情」についての研究の大きな一区切りを迎える。 人の感情の起伏...など、科学的に立証が難しい物まで全て纏め上げた。 ここに至るまで...アイリスの尽力が少なからずあったのは事実だ。 彼の所へと向かう。これまでの感謝と...私についてきてくれた事への言葉を述べるために。 彼の部屋の扉を...いつもより少し強めに開けた。 瞬間...漂ってきたのは...異様とも言える匂い。 まるで...大鍋で鉄を煮込んでいるかのような...そんな匂いがした。 そして...前を向いた瞬間、その匂いの正体を...知る事になってしまった。 アイリスだ。 眼の前の光景が信じられない。昨日まで仲良く話していたはずなのに。 何故。おかしい。彼は何も。なんで。これは夢だ。 事象を合理化するような言葉が電気のように体中に駆け巡る。 近くに寄ると...アイリスの体は...とても人間とは思えないほどに冷えていた。 「...なんで...なんでだよ...」 抑えていた涙が...決壊した。私の視界を水で埋め尽くした。 「...なんだこれ。」 視界が水で埋め尽くされようと、はっきりと見えるような文字で殴り書きされた紙を見つけた。 *ごめんなさい* 誤りたいのは私の方だ。何故...優しい彼がこんな目に。 途端に後ろから戸を開ける音と声がした...。 『アイリス...大丈夫か...!!』 『そこにいるのは...■■■...?まさかお前が...。』 絶望の連続だった。神だなんて大層な存在はいないに決まっている。 人への最大不幸の数は決まっているのではないのか。 私がここで何か物申せば...変わったのだろうか。 だがアイリスと一番距離が近かったのは私だ。 ならば...潔く捕まって...アイリスと同じもとに...。 無抵抗のまま捕まり...私は独房へと身を移した。 神へと...恨みをぶつけながら。 ============================================= ....どれくらいの時間が経っただろうか。もう意識も途切れ途切れだ。 このまま死に身を委ねるのも良いのかもしれない。 そうして私の意識が闇へと沈む... と思ったかと思えば、花畑のような場所で目が覚めた。 自分は死んだのだと...その時確信した。 だが少し...アイリスに会えるのなら良いと思った。 ============================================= に続く。 ============================================= 【出演】 ■■■ アイリス·マグカルト·ピューター 研究員A 研究員B 【使用BGM】 虚ろを扇ぐ(instrumental) - 獅子志司 様 - =============================================