RX-7(FD3S)の4型――3連丸型テールランプに変わり、リアウィングが大型化されたモデル。 しかし、走り屋たちの間である「白の4型」だけは、中古車市場に絶対に流してはならない禁忌とされている。 そのFDは、前のオーナーが峠の激しいクラッシュで命を落とした事故車だった。 この車を手に入れた若者は、すぐに奇妙な現象に気づく。 夜、タコメーターの針が本来の限界を超え、存在しない「11,000回転」のレッドゾーンを指して固まるのだ。 さらに、FD特有のシーケンシャルツインターボが過給を始める4,500回転を超えた瞬間、車内が異様な冷気に包まれる。 そしてバックミラーには、マフラーから出る異常なほどの「白い煙」が映り出す。 だが、どれだけアクセルを踏んでも、スピードメーターの表示は「40km/h」から一切動かない。体感速度はゆうに150キロを超えているにもかかわらずだ。 やがて車内には、ロータリーエンジン特有の高音の咆哮に混ざって、死んだ前オーナーの「もっと回せ、まだ足りない」といううめき声が響き始める。 恐怖でブレーキを踏もうとしても、ペダルは石のように固まって動かない。 メーターが示す「40km/h」とは、スピードではなく、かつて前オーナーがガードレールに激突し、即死した時の「残りの寿命(秒数)」なのだ。 カウントダウンがゼロになった瞬間、FDは白煙を上げたまま壁へと突き刺さる。 そしてバラバラになった白いパーツは、また何も知らない次のロータリー乗りの元へと流れていく。