下の小説を読んで
ノアは新たな宇宙を創造する。 それが “k-1次元”。 タコリンたちが生まれた世界とはまるで違う。 そこは、光も闇もない真空に ノアの胸の奥で燻っていた"好奇心"という種が、 光も闇も散らして生まれた世界だった。 まだ誰も知らない法則、 まだ誰も見たことのない生命、 まだ誰も触れたことのない可能性が眠っていた。 そんなときだった。 s-1次元で、“スバル”というメンダコが、 そこら辺に転がっていたゲームを何気なく起動した。 しかしそれは、 友である"アツキ"の大切なゲームだった。 スバルは途中でその事実に気付いた。 だが、欲望という名の泥に足を取られた彼は、 そのままプレイを続けてしまった。 翌日。 アツキタコリンは、いつものようにセーブデータを開いた。 だが画面に浮かんだのは、 見覚えのない文字。 【ゲームクリア】 アツキは、 まるで心臓を氷で掴まれたように青い体を固めた。 「……は?」 静かな声が漏れる。 アツキはゆっくりと画面をスクロールした。 そこには、見たことのないエンディング画像。 そして、スバルの名前が残したクリアタイム。 完全にアツキの楽しみは破滅された。 完全なるネタバレ。 友情への裏切り。 魂への暴力。 アツキの目が、 鳥兜の花のような紫に光った。 「おい。俺はまだクリアしてねぇんだよ。 勝手にクリアしやがってよ」 怒鳴り声ではない。 だが、 静かすぎて逆に背筋を凍らせる声だった。 アツキの周囲に、 紫色のガムが“怒りの瘴気”のように生まれ、 空間を歪ませ、 爆風が吹き荒れる。 「スバル。○ね」 その瞬間―― “ダンゴムシ大戦争” が始まった。 スバルは逃げた。 逃げて逃げて逃げ続けた。 だが、 運命は逃げる者に優しくない。 スバルは、ぶっ倒され、 アツキの勝利で幕を閉じた。 戦争が終わると、 k-1次元では突然、 猫を捕まえる遊び「ゲットだぜ」 が大流行した。 戦争の緊張が解けた反動なのか、 それとも世界の気まぐれなのか、 誰にもわからない。 敗北したスバルは、“賢者タイム”に突入していた。 静寂の中、彼はぼんやりと天井を見つめながら考える。 (この世界の蛸って……俺、食えないんだよな……) 数秒の沈黙。 そして―― (そオうだ!!!) 次の瞬間、スバルの脳内で何かが弾け飛んだ。 スバル 「……あの世界のオオオォォォ蛸がアアア欲しい!!!」 その叫びは、飢えた子豚の咆哮のようだった。 スバルは、“蛸を食べたい”という最低すぎる理由だけで、k-1次元へ向かう。 しかし、その目は危険だった。 瞳孔は猛烈に開き切り、まるで“世界そのものを支配しようとしている存在”のようですらある。 ……実際は、猛烈にバカなだけだった。 k-1次元へ到着したスバルは、第一声でこう叫んだ。 スバル 「俺はゴミタコリンの刺客(嘘)だ!!!」 最低である。 生まれてからずっと眠り続けているゴミタコリンへ、勝手に罪をなすりつけたのだ。 スバル 「オォォォォォイイイイイアアアア!! オオオイラにこ?の↑世←界/のすべてのタコをわたせェェェ!!」 欲望のまま絶叫するスバル。 だが、その直後。 彼は気づいた。 ここ、ゴミ処理施設である。 当然、蛸などいない。 しかし、もう止まれない。 欲望が理性を食い破っていた。 そんな時。 目の前に、二足歩行のオレンジ色の八割れ猫が現れる。 スバルは何も考えず、いきなり殴りかかった。 猫 「は!? お前、その速度どうなってんだよ!?」 スバル 「普通に殴っただけだが? もしかしてお前、弱い?ww」 煽る。 最低である。 猫の耳が、怒りでクルクル回転する。 猫 「は?? 許さん」 次の瞬間。 猫の身体が、雷のような“黄色形態”へ変化した。 そして勢いよくパンチを放つ――が、お世辞にも速いとは言えなかった。 当然のように、スバルは回避する。 そのまま反撃の拳を叩き込んだ。 吹き飛ばされた猫は、次に“流氷のような水色形態”へ変化する。 水色の猫は再び拳を振り上げる。 だがスバルは、それよりも速く踏み込み―― さらに拳を叩き込んだ。 猫は瀕死寸前まで追い詰められる。 しかし。 スバルは調子に乗った。 煽りエモートをしながらパンチした結果、普通に猫の反撃を喰らった。 結果―― お互い瀕死になった。 アホである。 その猫の正体は―― kh0616に仕える召使い、“khの猫”だったらしい。 戦いの後。 なぜかスバルは“漁業権”を取得した。 意味はわからない。 だが、その瞬間。 スバルの欲望はさらに膨れ上がっていく。 「もっと欲しい」 「全部欲しい」 その感情は、ついに時空そのものを揺らし始めた。 s-1次元。 k-1次元。 二つの世界が軋み、混ざり合い、境界が崩れていく。 優しさの世界。 混沌の世界。 その両方が融合し―― 新たな次元が誕生した。 その名は―― “sk次元”。 こうして、欲望と混沌に満ちた新世界の物語が始まった。 ここで第2話は幕を閉じる。 #3に続く