命に嫌われている。#5-近付く酸素の消失へと- ※グロテスクな表現、人によっては不快な表現がある可能性がございます。ご注意ください。 ※キャラの性格が本来とは異なるかもしれません。 ‐中條唯 視点‐ 白く光る天井と、ぶら下がった酸素マスク。 『酸素濃度 13% 12%まで 0:31』とドット文字で 書かれたタイマー。 ここは、デスゲーム。 酸素がなくなるまでに、酸素マスクを手に入れなければならない。 天井からぶら下がった酸素マスクを掴む。 今の空気中の酸素濃度は13%。 そろそろ、息が苦しくなってきた。 ...自分は、生きたいか? そう聞かれても、素直には頷けない。 別に、どうでもいい。 生きても死んでも、どうでもいい。 ...でも。 どうでもいいからって、自分で死に行くのは。 格好悪い。 酸素マスクを付ける。 新鮮な空気が、口に、肺に、頭に足に、体中に取り込まれる。 別に、格好良く生きたいわけじゃない。 格好良く死にたいわけでもない。 ...どうでもいい、けど。 ちらりと、隣を見やった。 ...今は、まだ。 生きていたい気がするだけだ。 ‐コスモ・ノヴァ 視点‐ 「ど〜しよっかなあ♪」 部屋の中心のほうにできている人混みから離れ、からりと笑いながら呟く。 「まだ酸素マスクの数は余裕ありそうだけど...1人で使っちゃおっかな?でも、1人じゃ寂しいし...誰かと一緒に使おうかな〜」 誰か一緒に使ってくれる人はいないかな〜と念じていると、丁度いいところに、ヘッドフォンを首に付けた男の子が歩いてきた。 「お〜い、そこの君〜!」 ダッシュで走っていって、背中をぶっ叩いてやった。 「痛っ?!」 その男の子は、一瞬でこちらを振り返った。 「何するんだよ?!」 「いや〜、ウチと一緒に酸素マスク使ってほしくて〜」 「ええ...?」 男の子は、不服そうな顔をした。 「...断る。」 「なんで?!」 「嫌だから。」 そして男の子は、ささっと立ち去ろうとした。 「待て!逃げるな卑怯者!」 「‐地球‐[泥水]!」 唱えると、泥水が男の子の上に降り注いだ。 「うわあああああ?!汚っ?!?!」 男の子は悲鳴をあげている。 この『‐地球‐』という能力は、地球内にある液体を5回出すことができる。 なんでも出すことができるから、よくジュースを出したりして飲んでいるけど、こんな使い方は初めて。 「まだまだ〜!‐地球‐[海水]!」 「しょっぱ?!ぶはっ、ごほっごほっ」 叫んだ男の子は、口に大量の海水が入ったのか、盛大にむせている。 「次は〜、何にしよっかな♪」 「ちょっと待って?!酸素マスク一緒に使うから!!」 男の子は、泥水と海水まみれで、両手を挙げて降参のポーズをとった。 「やったー!」 「それよりもこの汚れをどうにかできない...?」 「仕方ないな〜、‐地球‐[水]!」 大量の水が溢れて、泥水が流れていく。 流れた泥水が、いつからあったのかわからない排水溝に流れ込んだ。 「ぷはーっ...それにしても君、面白い能力を使うね」 「君じゃなくって、ウチはコスモ・ノヴァだよ!」 「コスモさん、だね?」 「堅苦しい!ノヴァって呼んで!」 男の子は、はぁっとため息をついた。 「ノヴァ...。」 「あっ、そうだ!君の名前知らないんだった!」 「君の名は。」 「それなんか聞いたことあるよ...」 男の子はまたため息をついて、こっちを向いた。 「僕は斯水秀爾。よろしくね。」 「いい名前!そうだ、ジュースいる?」 「‐地球‐[オレンジジュース]」と唱えると、オレンジ色の液体が手の上に浮かんだ。 「甘いものは嫌いなんだよ...」 「そう?美味しいのに」 オレンジジュースを啜ると、「‐地球‐[コーヒー]と唱えて、秀爾君の手の上に置いておいた。 秀爾君は、苦笑いを浮かべていた。 ‐レイ・ルッティア 視点‐ 「(...どうしましょうか...)」 耳に入る数十人の話し声、すなわち雑音を自分の世界から消して頭をフル回転させる。 徐々に酸素がなくなっていく世界で、参加者より少ない酸素マスクを奪い合うというルール。 酸素マスクを2人共同で使えばいいという、機転の効いた発想。 生き残るためには、自分1人か2人で酸素マスクを使えばいいだけ。 ...でも。 「(抜け道を見つけたとしても、参加者全員が生き残れるとは限りません...。)」 視界の端に、下を向いてしゃがみ込んでしまった、頭にフードを被った人、偽廉さんが映った。 ...そう。 「(2人で酸素マスクを使う勇気のない人、酸素マスクを取るのが出遅れた人は、死...。)」 2人で酸素マスクを使うのには、勇気がいる。 時間が経つにつれて酸素マスクはどんどん奪われていくから、出遅れてもいけない。 視界すらも見えなくなるくらい、考える。 視界が霞んで、自分の世界に入る。 「(勇気が出ない人は、助からないんですよね...)」 「なーなー」 「(それなら、勇気を出して行動する必要がある...)」 「お〜い、君〜?」 「(でも、2人で酸素マスクを使って信頼性を築くか...)」 「聞いとるか〜?」 「(生き残るために1人で酸素マスクを使うか...)」 「聞こえてないんか...?」 「(そもそも、自分は生き残りたいんでしょうか...?)」 「おいっ!!」 トンッ、と肩を叩かれた。 急に意識が現実に引き戻されて、霞んでいた視界がクリアになって、雑音が耳に入ってくる。 「なっ、なんですか?」 後ろを振り返る。 ...と同時に、一歩後ろに下がった。 「...ひっ...」 「どうしたんや?」 真っ黒な目、黒い足、飛び出す舌。 ...何本も生えた腕、引き裂かれた口。 ...鋭く光る、鎌のような腕。 恐ろしいまでの。 ...異形。 「だ、誰です...」 「あ、そうや。」 「ずっと部屋の隅におったから、自己紹介してへんかったわ。すまんな。」 その異形は、にこりと笑った。 ...つもりなのだろうが、笑った時に大きく開かれた口から、ぬちゃり、としか表現できない音がした。 「俺はな、ドーメル・シュルヘルツや!よろしくな!」 「っ...!」 明るい、関西弁。 友好的に、接してくれているつもりなんだろう。 でも。 どうしようもなく、怖い。 自分の顔に張り付いた笑いが、怯えで歪に歪む。 「なあなあ!酸素マスク、一緒に使うか?」 「もしかして怖がってるんか?何も変なことせーへんよ!仲良くしよーや、ねっ?!」 そう言って、手を... いや、鎌のような腕を差し出してきた。 鎌のような腕が、光沢を付けて光る。 「っ...」 ぎこちなく、首を振った。 「はいはーい、そこまで!」 妙に明るい声と同時に、少し幼い雰囲気の女の子がドーメルさんの前へ立ちはだかった。 「レイさん、怖がってるじゃん!もうちょっと優しくしてあげなよ〜!」 女の子は、淡い黄色の三つ編みを揺らしながら、笑う。 「そ、そんなに怖がってたんか...?」 「そうだよ〜」 ドーメルさんは、戸惑ったように、私を見つめた。 ...私は、目を逸らすことしかできなかった。 「ね?怖がってるよ。」 女の子が、ドーメルさんの肩を叩く。 「ほら、ドーメルさんと一緒に酸素マスク使えそうな人探したげるから!おいで!」 「ちょ、ちょっと待てや...あんたの名前は?」 「私、夢流メイ!よろしく!」 そう言ったメイさんは、ドーメルさんの鎌のような腕...ではなく、ドーメルさんの肩を掴んで歩いていった。 メイさんに連れて行かれる途中。 ドーメルさんは私を、物悲しそうな目で見つめていた。 命に嫌われている。近付く酸素の消失へと- ‐fin‐
※この下、ネタバレありです -クレジット- 中條唯 @ZERO__EIGHT様 コスモ・ノヴァ @subchromm-2424様 斯水秀爾 @aisuTARO様 レイ・ルッティア @akasemo113様 鳩羽偽廉 @MSNY25様 ドーメル・シュルヘルツ @baria2DAIME様 夢流メイ @akari080様 ♪命に嫌われている/カンザキイオリ様、まふまふ様 @hamatojunpyhappy様 -前回- https://scratch.mit.edu/projects/1328742128 -次回- そろそろ第一ゲームが終わりそうですね -初回- https://scratch.mit.edu/projects/1251395393 -公式スタジオ- https://scratch.mit.edu/studios/51373145/ -キャラ専用スタジオ- https://scratch.mit.edu/studios/51383841/ ‐一言‐ 前回のいのきらから2か月ほど経っています。 サボりすぎだろごめんなさい。 文章力の低下を感じる回ですね。 ネタ回かシリアス回かわかりません。 そろそろ第1ゲーム終わりますやったね。 全員生存したらいいな。 コメントください(瀕死) -ファンアートタグ- #命に嫌われた芸術作品 -考察タグ- #命に嫌われた解析表