レモンは幼くして、拐われてしまった。 天界の国スカイアースに元々は住んでいた。 兄と一緒に。 二人に親はいなかった。 だがいつも幸せだった。 いつまでも、その平和な日々が続くと思っていた⋯ あの日までは⋯ その日は特に変わった様子はなかった。 天気が良かったので、兄のライトは出かけていた。 家にはまだ幼いレモン一人だけだった。 幼い天使はとても珍しく、貴重だった。 そして幼い天使の羽は高値で取引されていた。 なので狙われやすかった。 これまで襲われていなかったのは、 いつも兄が居たからだ。 兄のライトは生まれつきすごい魔力を持っていた。 そのため誰も彼に近寄らなかった。 だが、今日は兄がいない。 守ってくれる人がいない。 助けいくれる人がいない。 そして、レモンは拐われてしまった。 遠い砂漠の国に連れて行かれた。 元いたスカイアースにはとても戻れないほどに、 離れてしまった。 しかしまだ幼いレモンには抵抗できず、 二人組の誘拐犯により、 とても大きな砂の城に閉じ込められてしまった。 それから孤独な日々が続いた。 レモンは悲しくて最初のうちは泣いていたが、 徐々に慣れていった。 天使なので水も食料も必要ない。 そのおかげで救われた。 だが外に出ることは出来なかった。 誰も助けに来てくれない。 自分は見捨てられたのだと思った。 だが本当はこることが出来なかっただけで、 兄のライトは必死に探してくれていた。 脱走しようとしても、門番に見つかってしまう。 外からの助けも届かない。 何をしても無駄だった。 意味が無い、意味が無くても、 レモンは努力し続けた。 そうすればいつかは報われる。 そう信じていたから⋯ やがて時は過ぎ、レモンは立派な天使になった。 もう一人前だ。 でもこの場所でもし天使だとバレたら⋯ レモンは天使の輪を隠すために、 頭にターバンを巻いた。 宝石がついた美しいターバンだ。 狭い部屋からやっと出ることが出来た。 だがそこに待っていたのは外ではなかった。 広い部屋、長い迷路のような廊下、色々な古い家具など 様々なものが置いてあった。 待っていたのは絶望だけ。 レモンの中で希望が消えかかっていた。 それと同時に天使の輪が静かに欠けた。 それでもレモンはくじけなかった。 たくさんある部屋をたくさん探索し、 最後の間にたどり着いた。 そこには小さな妖精がいた。 青くて丸っこい体に小さな尻尾と羽のようなものが ついている。 目は大きくとても輝いていた。 口はなかったが、喋ることが出来るようだった。 その妖精はカナと名乗った。 カナは説明しだした。 ここは砂漠の城で、迷宮に近いところだ。 そして貴方は拐われてきたと。 前にも同じようなことがあったような気がするが、 カナは一度その人と別れると全ての記憶が、 消されてしまう。 そのため思い出すことが出来なかった。 カナは色々な部屋を案内してくれた。 そこには隠し部屋があった。 とても小さな部屋だったが、 キラキラと輝く美しい装飾がされていた。 その部屋の中央には大きな棺があった。 禍々しいオーラを放っている黒い棺だ。 とても大きな棺だが蓋はとても軽かった。 開けてみると中からなにか黒い影が出てきた。 小柄だったが目が3つある、左右の目は、 キラキラと輝く宝石のような緑色の目。 真ん中の目だけは漆黒に染まっており、 闇の気配を放っていた。 今は光が灯っておらず。 真っ黒だった。 黒い瞳⋯なにか嫌な予感がした。 名前はわからないが、じっとこちらを睨んでいた。 レモンが声をかけようと近寄ると、 すぐに姿を消した。 天井の窓からその姿が見えた。 上へ、上へと飛んでいった。 不思議に思ったが追いかけることが出来なかった。 そして今もレモンは閉じ込められたままだ。 永遠に兄を待ちながら⋯
この画像はレモン。 今回の主人公だ。 二枚目は幼い頃の姿 生き別れし者、孤独を知る。 神を信じた者たちよ、無限にさまよい歩き、 真実に辿り着く、その時は、永遠の命を約束する。 悲しみに暮れようものなら、君にはもう未来はない。 愛されず、愛すことが出来ず、愛を知らない。 いつまでも、再会の時を待っている。永久に。 「お兄ちゃん…お兄ちゃん… レモンはずっと…待ってるからね… この迷宮で…待ってるからね… 助けに来てくれるよね…信じてるよ…いつまでも…」