次話 https://scratch.mit.edu/projects/1281616201 前話 https://scratch.mit.edu/projects/1275998585/ 忘れてたーッ!!(ハイパー土下座) 人のキャラの口調を考えるのが一番むずい 作成日…10月15日 [自己評価]7/10(今までよりは長い) [長さ] 5/10(結構テンポが早い) ※現在書き終えている最新話と比べています。 上下キーで動かすで。 タップでズームもできるンゴ 以下原稿。 第十五話 「迅速」 風が吹き荒れる。光を目で認識する。 意識がはっきりとしない。現実に脳が追いついていない。 少し経ったか、先程まで目指していた目的が霧が晴れるように 明確になってきた。 真っ先に目覚めたのはレインだった。 「…!!ここは!?…二人は無事か!?」 見渡せば、永遠にも近い時をかけた風による侵食により、 草の一つも茂らない乾きに乾ききった砂漠があった。 砂の一つもない。ただ地面が風によって度々抉られるように とんでいくだけだった。 「ウウ…ここは__一体?」 「…思いの外…痛くねぇな」 「起きたか!無事でよかった」 レインに続き、ハルディアル、月陰見も目を覚ました。 だが全員、寝起きのように意識がまだふわふわしている。 空一面は灰色で、ただただ、風が吹く。 「ここが…あいつらの言ってた、“属する世界“とかいう所か?」 「そう考えるのが妥当だろうな。現に、風に包まれた私らは この訳の分からない世界にいる。」 「って言う事は、ここに属性石があるってことか!?」 「ほぼ確実にな。だが恐らく相当危険だ。警戒して行こう。」 再び、三人は歩き始める。風に当たりに当たりまくったからか 強風で狼狽えることが少なくなった。 しかし、油断すれば文字通り足をすくわれる。 遠くを見渡しても、何もない。風に抉られている故に、 地形の全てが平面。しかし、チリが飛び交うために 視界は悪い。そのチリが濃い部分は、風が強いと言うことを 暗示している。 進んで行くにつれ、三人は疑問を抱くようになった。 ここは元いた世界よりも風が強い。 どれぐらい違うかまでは分からないが、ほぼ確実に あの世界よりも風は強い。 なのに、何も起きない。何も起きなさすぎるのだ。 ただただ、殺風景な場所を歩くだけ。 風の音すらノイズになり無意識的に聞こえなくなるほど 時間は経っている。なのに、風景は一切変わらない。 「俺ら…結構移動してきたよな。」 「ああ。感覚がおかしくなければ、私達は結構な距離を 歩いているはずだ。」 「何も、なさすぎねえか?あまりにも。」 どれだけ鈍感でも、違和感を感じるであろう。 それほどまでに時間は経っていた。 しかし、今できることは歩くだけしかできない。 ただ前に進むだけしかできないのだ。 それぞれが自分を納得させる。 「いや…本当にそうか?」 「急にどうした。レイン?」 「本当に、歩くだけしかできないのか?」 「私らは今、ただ平面上に移動している。だが見てみろ。空間は上にも下にもある。 その場所があることに何故今まで気づかなかったのだろうか?」 「上…俺は、浮遊能力を持っている。一度見てこようか?」 ハルディアルが提案する。 ここまで都合よく浮遊能力を持ち合わせているとは。 「お願いする。だが、気をつけるんだ。何があるか分からない。 危険だと思ったなら真っ先に降りてくるんだ。」 「了解。」 そういうとハルディアルは薄暗い、灰色の空に向かって上がっていった。 ハルディアルは一気に小さくなる。そしてある程度の高度まで達すると 警戒体制に入った。小さい影が揺れる。風に煽られるように動く。 そして少し様子を見たかと思えば、自由落下のように降りてきた。 その表情は、諦めのようだった。 「どうだった?」 「ある程度の高度まで行くと、風が下向きに吹き始めてな。 それ以上は行けそうになかった。見渡してもみたが、何かあるわけでもなかった。」 「なら下だな。一度思い切り破壊してもいいかもしれない。」 そう言うとレインはなりふり構わず、血でできた槍のような物を生成する。 それは血の流れが目視できるようで、なんとも言えない感情を抱いた。 そして勢いよく、一瞬で地面に打ちつけた。 音が虚無に響く。地面は意外にも硬く、ヒビが入る程度だった。 もう一度と言わんばかりにレインがもう一度生成する。 さらに打ち付けようとした途端、周囲が暗くなる。 風が暴風、いやそれ以上に強くなる。 風の音が唸り声を上げるかのように低く響く。 三人は明らかな異変を感じていた。 しかしそれは異変からの解放よりも、 何かマズイことが起きているような恐怖を感じていた。 「状況が変わったとはいえ…流石に、これは…」 「マズイかもしれないな。」 レインはそう喋る。 しかし表情は恐怖の顔ではなく、好奇心に近い顔だった。 最も、冷や汗はかいていたが。何か変わるかもしれない。 その感情が伝わってきた。 そして案の定、異変が起きた。 最初は風の音に紛れて聞こえなかったが、 “それ“は着々と近づいているのがわかった。 風が極端に強くなる。チリが濃くなる。視界が狭くなる。 世界そのものが意思をもつように。 三人は動かず、その場に留まっていた。 一歩先が見えない。手を伸ばしても指が満足に見えない。 「皆!近くにいよう!!」 レインが大声で叫ぶ。そうでもしないと届かない。 数mも離れていないものの、風が遮るように轟音を上げる。 そして急に、チリが引いた。風も穏やかになった。 しかし、それに安堵する暇もなく脅威はやってくる。 「あれは…!」 竜巻だ。しかし三人が知っているような “生優しい“竜巻ではない。この竜巻は異常だ。 知る物よりも比にならないほど大きく、渦巻いている。 そして鎌鼬が無数に飛んでいる。風の流れに沿うように。 「流石にこれは…逃げた方が良さそうだよな?」 月陰見が確認するように語りかける。 明らかに声が震えている。 大自然を前にした生物はここまで無力になるのだ。 地面に傷をつけたことで怒りを買ったのか。 なんにせよ、三人は後退りを少しずつしている。 だが三人を追うように竜巻…いや竜巻以上の何かは近づく。 今にも逃げ出す寸前の時に一つ、異変が起きた。 「随分と大変なことになっているねぇ」 耳元で囁かれたかのように声が聞こえた。 レインは素早く振り返る。 しかしそこに姿はなく、四方八方から気配が絶えない。 「誰だ?貴様。」 「まあそんなに怒らないで。少しからかっただけよ。ごめんって」 この様を前に随分軽快だ。姿を見せると赤い髪に黒い服の女が現れた。 「名を聞いている。答えろ。」 「ごめんごめん。僕はTOM SOYA。なんと言ってくれても構わないよ」 「いくつか聞きたいんだけど…なんでここにいるの?」 月陰見が質問を投げかける。 三人はSOYAに向かって疑いの目を向けている。 「なんでもよくない?まあ言うなら、属性の石ってやつがここにあると聞いて。 その場のノリでやってきたら出れなくなってね。」 「属性石!?お前もそれが狙いなのかよ!?」 「ああそうそう。それで、急に竜巻が現れたもんだから近づいてみたら人がいてね」 もう属性石は秩序だけの秘策ではなくなってしまった。 あの日の調べが裏目に出てしまった。 ライバルが出現したことで、急ぐ必要が出てしまった。 「(レイン…俺たちは先を急いだほうが良さそうだ。取られるかもしれない)」 月陰見がレインに耳打ちする。しかしその声に耳を傾ける前に 鎌鼬が飛んできた。直前まで、竜巻の流れに沿っていたと言うのに。 意思を持ったように、続けて飛んでくる。 しかしハルディアルが、全て大剣で薙ぎ払う。 「危ねえな。もうここまで近くに来ている。」 「確かにな。だが、何か竜巻の中心に何かが。言葉に言い表せない 何かがあるような気がするんだ。」 「ほう?では、少し見てこようか?」 SOYAの声が横から聞こえる。驚愕の声を出す前に、彼女は動いた。 いや、動いた瞬間すら見えなかった。 空を切り裂くように移動する。 通り道を避けるかのようにその部分だけ空間が開く。 彼女は数秒もしないうちに上から帰ってきた。 「レインって言ったかな?君の予想は大正解だよ。 中央部に光り輝いていた宝石のようなものがあった。」 三人は衝撃を受ける。おそらくそれが、求めていた 「疾風石」だろう。だとすれば一刻も早く手に入れたい。 だが現にあの台風もどきを攻略できる実力を持ち合わせていない。 唯一攻略できるものがSOYAだけだ。 だが、惜しくも手に入れたい目的が被っている。 そこでレインはある方法を思いついた。 「じゃ、僕取ってくるね。」 「待ってくれSOYA。交渉をしようじゃないか?」 「交渉?」 SOYAの動きが一瞬止まる。 そしてレインの方へ振り向いた 「偶然にも私達は、属性石を求めている。 目的が同じならば、協力しようじゃないか?」 「……」 SOYAは怪訝な顔をする。長い沈黙が続く。 三人は期待を込めた目でSOYAを見る。 しかし、彼女の顔は暗いままだ。 レインを除く二人は嫌な予感を察知した。 不運にもそれが現実となるのに、そう時間はかからなかった。 SOYAは考えようとしている。が、暫くするとその行為を諦めたようだった。 そしてレインと目を合わせる 「嫌だ。なぜ協力しないといけない?」 「逆に聞くが、デメリットがあるのか? 協力ならどちらにも利があると思うのだが。」 「…そんなに欲しいなら、力尽くで奪ってみたら!?」 そう吐き捨てると、竜巻の中央にレーザーのように入りこむ。 そして少し経ったか、急に竜巻の中心から光が輝き、 瞬きが間に合わないほどの一時で辺りを白で埋め尽くした。 気がつくと、元の世界で倒れ込んでいた。 SOYAも同じように倒れていたが、先程にはなかった傷がついている。 肩から腹にかけて深い傷が目に付き、生々しい血が垂れている。 険しい顔をしているが、そんなの構いなしに起き上がる。 三人もそれに続いて起き上がる。 が、明らかな疲労感を襲う。 それは無理やり深夜に起きたような。そんな疲れが溜まっていた。 視界がぼやけている。 かろうじて、赤と黒色をした動く者に向かって体を向ける。 視界がだんだんと明確になる。 SOYAの手には緑に輝く宝石のようなものを握っていた。 それは風のように蠢いている。間違いない。疾風石だ。 「ハァ…待てSOYA!」 「俺たちは戦いたいわけじゃない!」 「しつこいな…(CHAOSERも大変なものだな…)もういい。全員まとめて消してやる!」 CHAOSERという言葉を聞いて三人は戦慄する。 未だかつて出会ったことはない。それが故に、恐怖を感じていた。 思想が読めない。それこそ混沌の象徴のようなイメージを抱く。 冷や汗が垂れる。風が冷たく吹き荒れる。 深い傷のあるSOYAは覚束ない足で、三人の前に立ちはだかる。呼吸も荒い。 三人も、不本意ながら臨戦体制に入っている。冷や汗が垂れる。 だが、SOYAはあの一瞬で何があったのか、手負いの状態だ。 その悪運とも言える状況で、蹂躙されることはないだろう。恐らく。 そのCHAOSERの疲れ切った予備動作が戦いの始まりを告げる。