プロローグ ここは、不思議な不思議な食堂です。 ここには、青春を思い出したい人だけが入れる、不思議な食堂。 第2章 夏のお客様 明日は、夏のキャンプの日!未莉は、もう夜遅いのに、なかなか寝付けません。目を閉じると、明日のことが思い浮かんで、気持ちが高ぶってしまうのです。でも、お母さんに、明日、早起きしないと、キャンプにつれていけないよ。と言われているので、頑張って、寝ようとしました。 そして、10分くらい経つと、未莉のベッドからは、寝息が聞こえてきました。 次の朝、未莉は、気持ちよく目を覚ますと、布団から抜け出し、大急ぎで着替え始めました。なんてったって今日は、キャンプの日!そして、キャンプといえば、ご飯!未莉の家の定番のキャンプ飯は、おにぎりです。おにぎりの具材は、エビフライがまるまる一本入っているのが、ド定番です。そして、未莉の家では、キャンプは1泊2日です。荷造りは、昨日のうちにしてあるので、今日は、着替えていくだけです。未莉は、着替え終わると、タタタッと階段を駆け下りて、リビングに行きました。朝ご飯を食べるためです。すると、弟の悠真が、ぐったりしています。未莉は、嫌な予感がしました。 (もしかして、悠真が風邪ひいた?おねがい。今すぐシャ キっと元気になって、風邪じゃないと言って。) 未莉が、必死な思いで願っていると、お母さんが、未莉の存在に気づきました。 「あら、未莉。おはよう。今日ね、悠真が風邪ひいちゃったの。キャンプは、”中止”よ。朝ご飯はおにぎりよ。」 ”中止”という言葉が、未莉の胸に、ぐさっと突き刺さりました。 (延期じゃなくて、中止?そんなの嫌だよ。) 未莉の目から、涙が、ポロポロと流れ落ちました。未莉は、泣いている顔を、見られたくなくて、自分の部屋に引きこもりました。未莉は、悠真のことを、恨みました。悠真のことを、初めて、『大嫌い』だと思いました。未莉の頭には、去年のことが浮かんできます。キャンプファイヤーをやったこと、テントの中で、カードゲームをして遊んだこと。いろいろなことが懐かしく思えます。もう、今年のキャンプは、諦めるほかは、ありません。未莉の頭の中には、今、去年食べたおにぎりの味がくっきりと残っています。 (おにぎりも、食べれないのかな。) 未莉はその時、ふと、今日の朝ご飯が、おにぎりだったことを思い出しました。でも、キャンプで食べるおにぎりと、家で食べるおにぎりは、味が全く違います。そのまま未莉は、ボーッとしていました。もう、何も考えたくなかったのです。 はっと気がつくと、そこは、キャンプ場でした。 (あれ?今年は中止なんじゃ、なかったのかな?悠真の風邪が、急に治った?神!) 空を見上げると、茜色でした。 (ちょっとしか遊べないけど…でも、来れただけで大満足!) 「未莉。夜ご飯は、おにぎりよ!!それも、未莉が大好きな、エビフライのね!」 「やったあ!!」 未莉は、両手を上げて、喜びました。 その時、未莉は、ある事に気が付きました。去年と、言っていることが、全く同じです。 (去年に、戻った?) すると、頭の中に、言葉が響きました。 『お客様。ここは、あの時の場所ではありません。私 が、再現しているのです。ここは、去年の、”夏のキャンプ場”ではなく、”青春おむすび食堂”ですよ。』 未莉は、びっくりしました。なんと、ここは、映画の中みたいです。未莉は、この状況を、満喫しました。今年行けなかった分も、全部楽しみました。遊び疲れて動けなくなるまで遊びましたし、お腹がとてもいっぱいになるくらい食べました。すると、遥か上の空の方から、 「…莉。...莉ってば。未莉!!!!」 未莉は、はっと目を覚ましました。 目の前では、お母さんが、 「今日はキャンプの日よ!早く用意しないと、おいていくわよ!!!!」 と、怒鳴っています。 (全部、夢?悠真は、風邪になっていないの?それって、それって...めっちゃ神じゃん!!!!) 未莉は、ベッドから飛び降りて、大急ぎで、着替え始めました。
【作者からのコメント】 記念すべき二話目!!はい、お気づきのようですが、青春おむすび(以下略)シリーズの、第1弾は、春夏秋冬で進んでいきます。つ・ま・り、次は、秋のお客様。次の次は、冬のお客様ってことになりますね。てことで、以上。 クレジット サムネ Canvaで、作者が作成。