2001年、H&K社がイギリス軍のL85A1の近代改修を請け負った際の実績を評価し、アメリカ陸軍もM4の改修をH&K社に依頼した。 M4はM16自動小銃の特性を引き継いだ優秀な自動火器ではあったものの、光学照準器を始めとする様々なオプション装備に十分に対応していない 過酷な使用状況での信頼性に問題がある との不満も多かったためである。特に、特殊部隊用途としては将兵の評価は必ずしも高くなく、それらの部隊ではM4以外の様々なAR-15系列の自動小銃を「試験用途」の名目で使用している状況でもあり、装備の統一が求められていることも、M4の改修型が求められた要因であった。 これに加え、H&K社ではアメリカ軍次期制式アサルトライフルとして同社のG36を基にしたXM8を提案しており、M4改修型の開発と納入にはXM8の本格導入までの暫定装備としての位置を念頭に置いていた。「M16/M4と操作は基本的に同じであるため新たな銃器教育体系の必要がなく、性能面ではXM8と同等である」という存在を用意することで、制式小銃をXM8に切り替える際の“ストップギャップ(stop-gap:「穴埋め」「中繋ぎ」の意)”として、XM8と併せて大規模な導入が見込める、と考えていたためである。 これらの事情を踏まえ、アメリカ陸軍特殊部隊“デルタフォース”の元隊員である、ラリー・ヴィッカーズ(Larry・Vickers)を監修に迎え、2002年よりアメリカ特殊作戦軍(USSOCOM)と共同で“エンハンスド・カービン(Enhanced Carbin:“Enhanced”とは「強化」「改良」の意)”計画の一つとして開発が進められた。 2004年2月に発表された最初のモデルにはHKM4の名称が付けられた。試験運用の結果は好評であったが、M4カービンの製造元であるコルト社より「商標権を侵害している」との抗議を受け、訴訟に発展した[注釈 1]ために、部分改良を施された後に2005年2月にはHK416と改称されて改めて発表され、以後はこれが正式な製品名となった[注釈 2]。 運用試験と実戦での試験運用の結果、「重心が前に偏っているために構え辛い」との意見が多数出されたことから、銃身部を7オンス(約198.5グラム)軽量化する改良が行われ、その後は「依然として重心偏重の問題は残されている」とされながらも「M4カービンに比べて高い信頼性と耐久性を持つ」として使用部隊の将兵には好評を得たが、XM8の導入計画がキャンセルされた上、M4カービンの改良計画も、暫定的な結論ながら「M4には全面的に改修しなければならないほどの問題はなく、予算的にもその必要性は低い」とされたため、アメリカ軍ではHK416の導入は特殊部隊向けに留まり、全軍への大規模な採用は行われなかった。 アフガニスタン・イラク戦争の結果、5.56mm弾とそれを使用するアサルトライフルでは射程と威力に劣る状況が多発した、という戦訓から7.62mm弾を使用する自動小銃(バトルライフル)の存在が見直されたことを受けて、口径を7.62mmNATO弾対応とした拡大型の「HK417」も開発されたが、こちらもアメリカ軍への大規模な納入は行われていない。 アメリカ軍への採用が「国産品ではない」という点から阻害されることと、武器の輸出入に関する国際的規制の手続きが販路拡大の障害になることから、H&K社はアメリカ政府及びアメリカ国内に納入・販売するものについてはアメリカでの現地生産を行う方針に切り替え、2007年に銃器部品の製造会社であるウィルコックス・インダストリーズ(wilcoX industries)と提携、HK416のアメリカ市場向け民間モデルであるMR556より国内生産を開始し、アメリカ現地法人の販売モデルであるHK416Dについても順次国内生産に切り替えられている。 HK416は運用試験の結果を受けて細かな仕様の改良・改修が段階的に繰り返されており、特に、ノルウェー軍が制式採用するにあたり独自に発注した仕様(HK416N)がその後のモデルにも採り入れられている。2012年にはM4カービンの全面更新用たる米軍次期カービン計画(ICC:Individual Carbine Competition)に応募するために、HK417の派生型である「G28」の特徴を採り入れた改良型の「HK416A5」が開発されているが、この計画も「M4に全面的に更新しなければならないほどの問題はなく、予算的にも困難が多い」として中止され、H&K社の再度の期待も空しくHK416がアメリカ軍に全面的に採用される機会は訪れなかった。 2010年には16インチのヘビーバレルを装備した分隊支援火器型に小規模な改修を加えたモデルがアメリカ海兵隊にM27として採用され、2014年にはHK416A5はドイツ連邦軍/法執行機関に「G38」として採用されている[1][2]。HK416A5をベースに仕様変更したモデルがHK416Fの名称で、フランス三軍(陸軍、海軍、空軍)の統一正規採用銃とされ、2017年より10年かけてFA-MASと入れ替えていく計画になっている。 HK416A5にも生産時期により細かな仕様の変更が行われており、H&K社では今後も改良を続けていくとしている。
参考:ウィキペディア 中にパーツあるYO ちなHK417は7.62の51mmだよ M4A1より強いって本当なのか? ウィキペディア様々だわ